ことぶきのゆらり歴史

日々の中に見つけられる歴史の楽しみを綴った、ゆる歴女のブログです。 一緒に楽しんでいただけたなら嬉しいです♡

無私の日本人❖磯田道史さんの本を読んで感じる事

f:id:kotobukirekishi:20180607223005j:plain


まるで大切な友人を扱うかのように、歴史上の人物への愛情と敬意が満ちた磯田道史さんの本、大好きです。
最近よくテレビでもお見かけしますが、テレビに出ている時よりも、著書の中ではもっとひたすら肯定的です。
磯田さんの本を読むと、もっとこの国が好きになる。もっと人が好きになる。



✤ ✤ ✤ ✤ ✤


この本は、「穀田屋十三郎」「中根東里」「太田垣連月」という江戸時代に実在した3人の人物の生涯を小説風に記した史伝です。
小説といっても、あくまでも史実に基づいた中で、人物たちに感情をのせて人間ドラマにするというやり方で書かれています。
短編なのでさらりと読めて、そのバランスがすごく面白いです。
また江戸時代というものがどういう社会だったのか、どんなシステムで成り立っていたのか、その中で生きる江戸人にとって何が“常識”で何が“非常識”だったのか、という時代背景の細やかな説明が随所にさりげなく入っていて、中の世界がとてもリアルに感じられます。


この3人の人物たちは、それぞれが自分の“欲”よりも周りの人の幸せやもっと大きな何かのために人生をかけた、まさに「無私」の日本人でした。
自分の命を削って周りの人に分け与えるような人生。
その命の輝きは何百年の時を経てもなお絶えることはなく、それを見つけ出して書き記してくれたおかげで私はこうして勇気をもらえています。


磯田さんは度々著書の中で、「自分は古文書に没頭している時間が何より好きで、古文書を読んでいるなかで胸が熱くなるような歴史と遭遇する事がある。それをたくさんの人に知って欲しくて本を書いている。」というような事を仰っています。
でも、歴史上の人物の善行を取り上げた時に、教訓めいた事は全然書いていません。
その行いを見て自分が感動した、胸が熱くなった、という事をただひたすら語っています。
それも他国を引き合いに出したりやたらと日本人の“素晴らしさ”を強調するような押しつけがましいものではなくて。
でもなんていうか、読んでるうちにじんわりと、「自分もこの国の一員なんだ」という自覚が芽生えるような。そんな気持ちになります。


そして、ことさら感動を促すような書き方はしていないのに、最後まで読んだ後に涙がこぼれることがあります。
それは、磯田さんのひたすらな「好き」の気持ちが、紙を超えて文字を超えて、読んでいる側に伝わってくるからだと思うのです。


磯田さんこそ、「無私の日本人」ですね。





にほんブログ村 歴史ブログ 歴女・女性歴史ファンへ
にほんブログ村


日本史ランキング